このたび齋藤春夫先生の後任として、令和3年7月1日に画像解析学分野 教授を拝命しました金田と申します。私は東北大学医学部医学科を平成8年に卒業し、放射線診断医として核医学・PETに関する研究に長年携わってきました。こういった放射性薬剤を用いる画像診断は、CTやMRIといった形態画像診断に比べて画像解像度は劣るものの、形態情報とは異なる機能や代謝といった“分子イメージング”情報を得ることができます。そこでは測定値の定量化や標準化、さらには測定装置の性能評価など、診療放射線技師の果たす役割が非常に大きくなります。診療におきましても核医学専門医がいないような病院では、診療放射線技師による核医学的なアドバイスは主治医に大変重宝されます。東北大学医学部保健学科にはしばらくの間、核医学を専門とする教授が不在でした。これからは当分野において、診療放射線技師として国内外の核医学・PET研究をリードできるような科学者、教育者の育成に努めてまいります。折りしも近年、核医学の分野では放射性薬剤を用いた治療が目覚ましく発展し、ヨーロッパを中心に広く普及しつつあります。残念ながら我が国は世界に遅れをとっていますが、ようやく最近、いくつか核医学治療薬が承認され発売されるようになってきました。病変や標的物質に特異的に集積する“分子イメージング”の技術を応用して、アルファ線やベータ線で治療する方法はいま”Theranostics(セラノスティクス)”として世界的に注目されています。患者さんの被ばく管理や線量測定、適切な投与量推定など、ここでも診療放射線技師の活躍できる世界は大きく広がっています。ぜひ一緒に核医学を盛り上げていきましょう。
放射線科専門医(診断)
核医学専門医
PET核医学認定医
日本核医学会 理事・東北支部長
日本分子イメージング学会 理事
東北大学大学院医学系研究科 オートプシーイメージングセンター長
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